vol.19 2019/02/20
三菱自動車・パナソニック等の技能実習の認定取り消しについて
先月は、3ヵ月に一度の外部監査で皆様の事業所を訪問させていただきました。
現場でお話を伺っていると、監理団体の皆様が実習実施者から入管法改正による新在留資格である
「特定技能」についても問い合わせを受けている、というお話をうかがうことがよくあります。
法務省入国管理局は、平成31年2月、「新たな外国人材の受入れについて」を公表しました。
この資料を見ると、同年4月1日の「特定技能」の制度運用開始に向けて、
同年3月1日に、政府は、申請書(サンプル)の窓口配布・相談受付を開始し、
3月中旬には・政省令公布・申請書(確定版)HPダウンロード開始を行う、としています。
大変慌ただしいスケジュールのため、現場には多くの混乱が生じるであろうことが容易に想像できます。
そんな時だからこそ、弁護士法人グレイスは皆様を適切にサポートして参ります。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
それでは、第19回メルマガの配信です。
今号の目次
- 三菱自動車・パナソニック等の技能実習の認定取り消しについて
- あとがき
1. 三菱自動車・パナソニック等の技能実習の認定取り消しについて
法務省と厚生労働省は、平成31年1月25日付で、三菱自動車工業株式会社、
パナソニック株式会社、アイシン新和株式会社、株式会社ダイバリーの4社に対し、
技能実習計画の認定取消を通知しました。
さらに、三菱自動車工業株式会社に対して改善命令を行いました。
大企業としては、初の認定取り消しの公表事例となります。
これによって、4社は、5年間技能実習計画の認定を受けられなくなっただけでなく、
「特定技能」での受け入れもできなくなりました。
報道によると、三菱自動車工業は、岡崎市の工場で技能実習生に認定された
実習計画に記載した半自動溶接作業ではなく、部品の組み立て作業などをさせていた、とのことです。
このメルマガを毎月読まれている監理団体の皆様であれば、
計画の取消は当然である、との思いを持たれることでししょう。
ここで特に注目しなければならないのは、パナソニックの事例です。
パナソニックは、「労働基準法違反により罰金30万円に処せられ、刑罰が確定した」ために、
認定計画が取り消されてしまいました。
報道によれば、パナソニックは砺波市の工場で過労自殺した40代男性社員に
労使協定の上限を超える違法な長時間労働をさせた、として
労基法違反で砺波簡裁から平成30年3月28日付で罰金30万円を支払うよう略式命令を受けており、
それが確定した、というものです。
パナソニックの事例は、普通の労働者に対する労務管理を怠っていると、
技能実習生のみならず特定技能での外国人の受入れもできなくなる、ということを示す事例であると言えます。
日々企業様の御相談を受けていると、働き方改革関連法に基づく、
時間外労働の罰則付き上限規制や有給休暇5日間の取得の義務化、といったことへの対応ができていない、
といった声はよくうかがうところですが、外国人の受入れに当たっては致命傷になりかねません。
皆様ご自身・ひいては多数の関係者に迷惑をかけないためにも、
労働法令違反がないか確認しておかれることをお勧めしております。
当事務所には使用者側労務に豊富な経験を有する弁護士が複数在籍しております。
法人様の初回相談は無料で承っておりますので、お気軽に御相談下さい。
2. あとがき
このたびは第19回のメールマガジンをお読みいただき、ありがとうございました。
できる限り皆様の御要望にお応えしていきますので、
「このテーマについて解説が欲しい」等の御要望がございましたら、弊所までご連絡ください
(ただし、顧問契約をいただいている方からの御要望を優先させていただきますので、
悪しからずご了承ください)。
また、私見も交えてメールマガジンを発行しておりますが、
もし万が一「これは誤りではないか」という御指摘がございましたら、合わせてご連絡頂ければ幸いです。
今後とも宜しくお願い致します。