vol.45 2021/05/01
海辺の彼女たち
今号の目次
- 世界4位の“移民大国”日本
1. 世界4位の“移民大国”日本
これまで堅苦しい法律論ばかりをご紹介して参りましたので、今月は少し方向性を変え、技能実習制度に関する映画のご紹介です。
技能実習制度を扱う藤元明緒監督の作品「海辺の彼女たち」が令和3年5月1日から公開されました。
今や世界第4位の数の外国人労働者を受入れる本邦において、外国人労働者の失踪数の増加は社会問題となっています。
その背景には給与未払い等の実習実施企業側の事情、借金の存在等の実習生側の事情等、様々な理由があるものと考えられます。
政府も外国人労働者の失踪数の増加を極めて深刻な事態と捉え、様々な施策を既に採っているところです(令和元年12月24日「技能実習制度における失踪問題への対応について」、出入国在留管理庁等)。
「海辺の彼女たち」は、このような極めて深刻な事態であるにもかかわらず、どこか実感の湧いていない社会問題に切り込んだ作品であるようです。
実は私も緊急事態宣言下においてまだ鑑賞出来ていないのですが、状況が改善すればぜひ劇場で見たい作品です。
いまこそ、技能実習制法が第1条で「人材育成を通じた開発途上地域等への技能、技術又は知識(以下「技能等」という。)の移転による国際協力を推進することを目的とする。」と定めていることの意義を再確認すべき時かもしれません。