vol.63 2022/11/01
監理団体が利用する事業報告書の様式について
今号の目次
- はじめに
- 改正の概要と背景
- 今後の予定
- まとめ
1. はじめに
監理団体は、毎年1回、5月31日までに監理事業を行う事業所ごとに事業報告書(省令様式第23号)を作成の上、外国人技能実習本部監理団体審査課(機構本部)に提出しなければならないとされています(技能実習法第42条第2項、同法施行規則第55条第2項)。
現行の事業報告書(省令様式第23号)は、「監理費徴収実績」として、⑴徴収した実習実施者数、⑵技能実習1名当たりの監理費の額、⑶内訳を記載する欄が設けられています。
2. 改正の概要と背景
令和4年10月29日、出入国在留管理庁及び厚生労働省は、事業報告書の様式(外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則(平成28年法務省・厚生労働省令第3号)別記様式第23号)を改正し、新たに設ける別紙に監理費の徴収実績を記載させる等の措置を講じる省令改正案を公表し、パブリックコメントの募集を行っています(e-Govパブリックコメント)。
改正の背景には、外国人技能実習制度において、監理団体が実習実施者から徴収した監理費の実態を一層的確に把握するため、監理団体に提出を義務付けている事業報告書に監理費の徴収実績をより詳細に記載させる等の措置を講じる必要があるとの問題意識があるようです。
新たに設ける別紙では、(1)徴収した実習実施者数、(2)徴収した技能実習生数、(3)技能実習生1名当たりの監理費の額、(4)徴収額内訳(定期費用・不定期費用)、(5)支出額内訳(定期費用・不定期費用)と細かく区分されています。
特に(4)及び(5)に関しては、これまで職業紹介費、講習費、監査指導費、その他諸経費と項目が分かれ、その中でさらに人件費や交通費などの項目に分かれていましたが、これらの内訳項目も、現行より詳細な区分に修正されています。
3. 今後の予定
改正省令の公布日が、令和4年12月に予定されておりますので、監理団体が令和5年5月31日までに提出する事業報告書については、新書式での対応になるものと思われます。
なお、公布日前に終了した技能実習事業年度にかかる事業報告書については、従前の例によること等とされる経過措置を講じる予定とされています。
4. まとめ
今月号では、事業報告書の見直しに関する状況についてご紹介しました。
幣所では、外部監査人として監理団体の外部監査を実施しておりますが、各監理団体から監理費管理簿の記載方法等に関するご質問を受けることも多く、機構の実地調査の際にも一層厳しく確認されている状況にあるものと認識しております。
今回の改正は、監理団体の皆様にとって、実務にかかわる重要な見直しになりますので、引き続き最新の動向をお伝えできればと考えております。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。