企業内転勤の方法による外国人介護労働者の受入れの可否
ご相談分野:その他
業種:介護業
1 相談内容
外国の企業から、企業内転勤の方法で介護事業所に外国人労働者を派遣することが可能だということを言われているが、そういった方法を取ることが可能なのか。
2 争点
「企業内転勤」の方法によって外国人介護労働者を受け入れることができるか。
3 解決内容
企業内転勤とは、本邦に本店,支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が,本邦にある事業所に期間を定めて転勤して,
①当該事業所において行う理学,工学その他の自然科学の分野に属する技術又は知識を要する業務に従事する活動(在留資格「技術」に相当)若しくは
②法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する知識を必要とする業務に従事する活動(在留資格「人文知識・国際業務」相当)。
について在留資格該当性が認められます(入管法別表第1の2の表の「企業内転勤」の項の下欄参照)。
上記の定義からしても「介護」にあたる労働者の活動はそもそも想定されていないと思われます。したがって、「企業内転勤」の方法によって外国人介護労働者を受け入れることはできません。むしろ、こういった申請をした場合、介護労働者の在留資格を潜脱しようとしているという判断を受けかねないので、こういった方法を取るべきではないと思われます。
4 弁護士の所感
近時外国人分野に参入してくる企業は多いですが、本件のように法的には通らない提案をしているようなケースや、いわゆるブローカーの関与が疑われるような場合もあり、それらのものに関わると不測の損害を被ることになりかねません。今回は当事務所にご相談いただいたため、問題を未然に防ぐことができてよかったと思います。