vol.03 2017/10/20
介護職種に関する告示等が公布されました!
いよいよ、技能実習法の施行まで2週間を切りました。
その施行日に合わせたのか、9月末にやっと介護職種における技能実習制度の
制度設計が明らかとなりました。
未だ手探りの様相であることを否定することはできませんが、
今回のメルマガではQ&Aを省略して、介護職種における技能実習について解説したいと思います。
さて、第3回メルマガの配信です。
今号の目次
- 介護職種に関する告示等が公布されました!
- あとがき
1. 介護職種に関する告示等が公布されました!
既に殆どの監理団体が監理団体の許可に係る事前申請を行っているものと思いますが、
介護職種の追加に係る手続きをするにはまず
「監理団体許可申請の内容変更申出書・監理団体許可条件変更申出書」を提出しなければなりません。
このとき、監理団体の許可に係る事前申請について優良な監理団体の要件があるのと同様に、
介護職種の追加に係る申請についても優良な監理団体の要件(介護職種特有の要件)がありますが、
介護職種に関してはこれから制度開始となりますので、
介護職種については全監理団体がまずは特定監理事業としてスタートすることになります。
では、どのような人を技能実習生として受け入れることができるのでしょうか。
団体監理型技能実習の場合、技能実習生は、
日本で従事しようとする業務と同種の業務に外国で従事した経験を有するか、
または、技能実習に従事することを必要とする特別な事情があることが必要です。
この「同種の業務」については幅広く解釈されており、
例えば、外国における看護過程を修了した人または看護師資格を有する人も
「同種の業務」に従事した経験を有するものと解釈されています。
また、後者の「特別な事情」についても幅広く解釈されており、
例えば、母国で急成長している分野での就業を希望するなど、技能実習生が技能実習を行う必要性を
具体的に説明することができ、かつ技能実習を行うために必要な最低限の訓練を受けている場合には
「特別な事情」があるものと解釈されています。
技能実習生の母国の多くはこれから高齢者が増える社会であり、
「介護」はそれらの国々においてこれから制度が構築されていくものですので、
多くの場合に「介護」が「母国で急成長している分野」に当てはまりそうです。
次に、技能実習生を受け入れることができる実習実施者についてですが、
技能実習制度本体の要件に加えて、以下の要件を満たさなければならないとされています。
①技能実習指導員のうち1名以上は介護福祉士の資格を有する者
その他これと同等以上の専門的知識及び技術を有する者であること
②技能実習生5名につき1名以上の技能実習指導員を選任していること
③技能実習を行わせる事業所が、介護等の業務(利用者の居宅においてサービスを提供する業務を除く)を
行うものであること
④技能実習を行わせる事業所が、開設後3年以上経過していること
⑤技能実習生に夜勤業務その他少人数の状況下での業務又は緊急時の対応が求められる業務を
行わせる場合にあっては、利用者の安全の確保等のために必要な措置を講ずることとしていること
⑥技能実習を行う事業所における技能実習生の数が一定数を超えないこと
⑦入国後講習について、日本語学習(原則240時間。ただしN3程度取得者は80時間)と
介護導入講習(42時間)を受講すること
このうち、意外だったのが④の
「技能実習を行わせる事業所が、開設後3年以上経過していること」という要件でした。
実は筆者は、この要件について「実習実施者が、会社設立後3年以上経過していること」といった
要件になるだろうと予想していたのです。
両者の違いは、例えば、実習実施者が会社を設立して介護事業を営むようになってから
3年以上既に経過していて、今後新たに介護施設を開設しようとする場合に、
その新たに開設する介護施設にて技能実習生に技能実習を行わせることができるか否か、
という点に表れてきます。
言うまでもないことですが、私が予想していた要件であれば、
このような場合でも技能実習生を受け入れることは可能ですが(他の要件はさておき)、
今回公表された要件に従うと、このような場合には技能実習生を受け入れることはできません。
ここまで厳格にする必要があるかと腑に落ちない部分もありますが、
既に確定している要件ですので、これに従って技能実習を行い、
監理事業を行わなければなりませんので、ご注意ください。
技能実習生に関する要件であると、実習実施者に関する要件であると、
監理団体に関する要件であるとを問わず、いかなる要件についても、
今後要件が緩和され、または逆に厳格になった場合には、改めてメルマガ等で解説いたします。
2. あとがき
このたびは第3回のメールマガジンをお読みくださり、ありがとうございました。
できる限り皆様の御要望にお応えしていきますので、
「このテーマについて解説が欲しい」等の御要望がございましたら、弊所までご連絡ください
(ただし、顧問契約をいただいている方からの御要望を優先させていただきますので、
悪しからずご了承ください)。
また、私見も交えてメールマガジンを発行しておりますが、
もし万が一「これは誤りではないか」という御指摘がございましたら、合わせてご連絡頂ければ幸いです。
今後とも宜しくお願い致します。