vol.07 2018/02/20
外部監査にて寄せられた質問について
先月号でもお伝えしましたが、1月は色々な監理団体に外部監査に行ってまいりました。
どの監理団体様も、抱えていらっしゃるお悩みは似通っているのだなと感じます。
それでは、第7回メルマガの配信です。
今号の目次
- 外部監査にて寄せられた質問について
- 技能実習制度Q&A「複数の法人が共同で技能実習を行わせる場合、全ての法人について必須作業を行わせなければならないのでしょうか。」
- あとがき
1. 外部監査にて寄せられた質問について
冒頭でもお伝えしたとおり、1月は色々な監理団体の外部監査に行ってまいりました。
その中でも特に質問の多かった、各種管理簿の記載方法について、
2点ほど共有させて頂こうと思います。
それぞれ、文献にてリサーチを行うとともに外国人技能実習機構に問い合わせを行った結果ですが、
仕様変更や他の意見がございましたら弊所までお寄せいただけたら幸いです。
(1)監理費管理簿
対象期間について、始期と終期をそれぞれいつにしたらいいかという質問がありました。
監理費に関しては、旧法時代から、監理費徴収明示書を事前に交付する等、
適正に取り扱うことを求められていました。
この監理費管理簿は、新法にて監理費の適正な取り扱いをさらに徹底すべく、
作成を義務付けられたものになります。
そして、旧法に基づいて入国してきた技能実習生については、経過措置により、
当面は旧法に従って対処すればいいこととされています。
したがいまして、始期については、新法対象の技能実習生について
新法対象の実費が発生した時期を記載することになります
(もちろん、新法が施行された平成29年11月1日を始期と定めても構いませんし、そちらのほうが理念に沿っているとも言えます)。
一方、終期についてですが、この監理費管理簿の用途は、
監理団体の決算等の結果に基づき、実費として適正なものであったか否かを事後的に確認し、
場合によっては実習実施者に対して返金対応するためのものです。
そのため、終期については、その監理団体の決算日とするのが最も適切といえます。
(2)雇用関係の成立のあっせんに係る管理簿
「求職者をあっせんした場合」「求人者をあっせんした場合」それぞれについて、
「採用年月日」という項目があります。
注意欄には「採用された場合は採用年月日も併せて記載すること」とだけありますが、
この「採用」とは、現地での面接に合格した日なのか、
入国後講習を終えたあと実際に実習実施者への配属が決まった日なのか、
いずれを記載するのかという質問が寄せられました。
この点について、技能実習生は、現地での面接、入国前講習、入国後講習を経て、
実際に実習実施者に配属されて技能実習が始まります。
入国後講習期間中は講習専念義務があり、実習実施者の指揮監督下には置かれません。
そのため、現地での面接の「合格」は、その後の入国前講習、技能実習計画認定申請、
在留資格許可申請及び入国後講習を経るための仮定的な「採用」に過ぎず、
入国後講習を終えて企業に配属された日をもって正式に「採用」となります。
したがいまして、「採用年月日」とは実際に企業に配属された日を記載するのが最も適切といえます。
以上となります。
各監理団体を訪問させていただいた感想ですが、多くの監理団体が手探りで
新法に基づいて監理事業の遂行方法を見直していっている印象を受けました。
明確な基準が無いときこそ、原理原則に立ち返るべきであり、
専門家を積極的に活用すべきであると感じました。
2. 技能実習制度Q&A
「複数の法人が共同で技能実習を行わせる場合、
全ての法人について必須作業を行わせなければならないのでしょうか。」
【質問】
複数の法人が共同で技能実習を行わせる場合、
全ての法人について必須作業を行わせなければならないのでしょうか。
【回答】
全ての法人について必須作業を行わせる必要はありません。
その技能実習生の技能実習計画全体として、
必須作業、関連作業、周辺作業の要件を満たしていれば問題ありません。
3. あとがき
このたびは第7回のメールマガジンをお読みくださり、ありがとうございました。
できる限り皆様の御要望にお応えしていきますので、
「このテーマについて解説が欲しい」等の御要望がございましたら、弊所までご連絡ください
(ただし、顧問契約をいただいている方からの御要望を優先させていただきますので、
悪しからずご了承ください)。
また、私見も交えてメールマガジンを発行しておりますが、
もし万が一「これは誤りではないか」という御指摘がございましたら、合わせてご連絡頂ければ幸いです。
今後とも宜しくお願い致します。