vol.13 2018/08/20
監理団体向けの技能実習計画齟齬に関する注意喚起
7月は外部監査で顧問先の監理団体様に伺わせていただきました。
まだ法律の施行から1年も経過していないということもあり、実務
機構に聞いても担当者ごとに回答が違っているような有様であると
他方で、そんな時だからこそ、行政からのメッセージが出されてい
弁護士法人グレイスは、監理団体の皆様をこれからも適切にサポー
今後ともご愛顧のほど、よろしくお願い致します。
それでは、第13回メルマガの配信です。
今号の目次
- 監理団体向けの技能実習計画齟齬に関する注意喚起
- あとがき
1. 監理団体向けの技能実習計画齟齬に関する注意喚起
少し前の話ですが、平成30年6月21日、法務省・厚生労働省・外国人技能実習機構は、連名で、
監理団体向けに「監理団体による技能実習計画の作成指導及び監査等における留意点について
(技能実習計画齟齬)」との表題の通知文(以下、「本件通知」といいます)を公表しました。
前回のメルマガでも記載しましたが、
「実習実施者が認定計画に従って技能実習を行わせていないと認めるとき」
も技能実習計画認定の取消事由となっています(技能実習法16条1項1号)。
このことを踏まえ、本件通知は、「(注:技能実習計画齟齬が)悪質な場合には
改善命令や認定の取消し等を行うなど厳正な対処を行うこととしています。」としています。
その上で、監理団体に対し、
(1)「技能実習計画の作成指導に当たり、技能実習計画が法令に従った適切なものと
なっているか否かの確認・指導を行う必要があること」、及び
(2)「監査等に当たり、実習実施者において計画齟齬が行われていないかなどについて
十分留意していただきますよう注意喚起いたします。」
としたうえで、
「なお、不適切な事案等が判明した場合には、直ちに外国人技能実習機構に報告するなど
適切な監理事業を行っていただく必要がある旨申し添えます。」と結んでいます。
本件通知は、平成30年5月末から6月初めにかけて、
大手自動車メーカー2社がそれぞれ計画と異なる作業をさせていたことが次々に報道されたことを
重く見て発出されたものと考えられます。
この点、監理団体の皆様が特に着目すべきは下記の三菱自動車の件であると思います。
報道によると、三菱自動車が2016年以降、岡崎製作所(愛知県岡崎市)で受け入れていた
フィリピン人技能実習生65人のうち、溶接技能の修得を目的に4次にわたって33人を、
技能実習に該当しない車体の組立てや実習計画より簡易な溶接を日常的にさせていた、という件については、
「今年1月、実習生の紹介を受けた『協同組合フレンドニッポン』(本部・広島市、FN)から
『仕事の中身に問題がある』と、岡崎製作所の担当者に指摘があった」とのことです
(朝日新聞デジタル5月25日より引用)。
すなわち、このケースでは、協同組合フレンドニッポンは、実習実施者である三菱自動車に対して
技能実習計画齟齬について適切な指導をおこなったものといえます
(技能実習制度運用要領(平成30年6月)169~170頁参照)。
本件通知にも記載があるように、上記のような場合、監理団体の皆様は実習実施者に対して
是正の指導を行うともに、外国人技能実習機構に対して申告する義務があることをご確認下さい。
2. あとがき
このたびは第13回のメールマガジンをお読みくださり、ありがと
できる限り皆様の御要望にお応えしていきますので、
「このテーマについて解説が欲しい」等の御要望がございましたら
(ただし、顧問契約をいただいている方からの御要望を優先させて
悪しからずご了承ください)。
また、私見も交えてメールマガジンを発行しておりますが、
もし万が一「これは誤りではないか」という御指摘がございました
今後とも宜しくお願い致します。