vol.40 2020/11/20
同一労働同一賃金の導入
今号の目次
- 同一労働同一賃金の導入
- 当事務所の強み
1. 同一労働同一賃金の導入
1-1 同一労働同一賃金の導入
従来より、技能実習生に対する報酬の額については、技能実習生であるという理由で不当に低くなるということがあってもならないとされていました(技能実習法第9条9号)。
令和2年4月より、パートタイム・有期雇用労働法の改正により、有期雇用労働者について、同一企業内における正規労働者と職務内容が同一である場合の均等待遇確保が義務化されましたが、令和3年4月から同規定は中小企業にも適用となります。
当然、有期雇用労働者である技能実習生にも同規定は適用されます。
受入先機関の大半は中小企業であることから、同規定の適用は技能実習実務においても影響が大きいものと予想されます。
1-2 基本的な考え方
同一労働同一賃金はまだ導入されたばかりで個別具体的な基準は今後の裁判例等の蓄積を待つほかありませんが、現時点における一応の基準としては、厚生労働省が公開しているガイドラインがあります(厚生労働省告示第430号)。
ガイドラインで紹介される例としては以下のようなものがあります。
①基本給について、労働者の能力又は経験に応じて支給しているA社において、ある能力の向上のための特殊なキャリアコースを設定している。通常の労働者であるXは、このキャリアコースを選択し、その結果としてその能力を習得した。短時間労働者であるYは、その能力を習得していない。A社は、その能力に応じた基本給をXには支給し、Yには支給していない。
②基本給について、労働者の能力又は経験に応じて支給しているA社において、通常の労働者であるXが有期雇用労働者であるYに比べて多くの経験を有することを理由として、Xに対し、Yよりも基本給を高く支給しているが、Xのこれまでの経験はXの現在の業務に関連性を持たない。
ガイドラインでは、上記①の場合は問題がない事例としていますが、上記②の場合は問題がある事例としています。
この例は形式的に労働省の能力又は経験の差異を根拠に基本給に差をつけたとしても、その実態を伴っていない場合には、同一労働同一賃金の考え方に反することを示したものと言えます。
2. 当事務所の強み
当事務所では、技能実習制度開始の黎明期より、多くの監理団体、実習実施先企業様等からのご相談をお受けしてきました。
また、それに加え、400を超える顧問先からのご相談を受け、当然、ご相談内容の中心の1つに労務の問題がございます。
同一労働同一賃金の導入は、技能実習制度において重大なインパクトを生じるものとなり得ますが、技能実習制度及び労働法に熟知した弊所のご活用をぜひご検討ください。
今後も皆様のお役に立てるよう努めてまいりますので、お気軽にご相談ください。